墨字本お勧めコーナー

世界や人間についての知恵・原理を探究する学問、哲学。難しいです。 でもこの本は読みやすく書かれていて、資本主義の矛盾をわかりやすく解説している書でもあります。 これからの日本を担う若者にこそ読んで欲しい、著者渾身の作品。

サルトルとマルクス〈1〉見えない『他者』の支配の陰で

サルトルとマルクス〈1〉見えない『他者』の支配の陰で

春風社刊

フーコー、ドゥルーズ、デリダに「乗りこえられた」サルトルではなく、彼らの後に読まれるべきサルトルとは? アルチュセールの疎外論批判を経た後で見直されるべき、初期でなく、後期マルクスの疎外−物象化論。 「脱構築」から「批判」へ。 見えない『他者』に懐柔されて「生きのびる」のでなく、より激しく貪欲に「生きる」為に。 そして「生きる」べき生は、いつも複数であるために。(396P)

サルトルとマルクス〈2〉万人の複数の自律のために

サルトルとマルクス〈2〉万人の複数の自律のために

春風社刊

差異から複数の自律へ。 「生きにくさ」の原因を知り、これを廃絶する為に。 社会的排除のない、誰もが自分の居場所のある、私が私になれる、他者が他者になれる、強い意味で私たちのものと言える社会の建設の為に。 倫理に関する未刊草稿(「ローマ草稿」)を含む、様々なテクストを渉猟し、新たなサルトル像を提示する。(655P)

著者紹介 北見 秀司 (キタミ シュウジ)

1960年生まれ。1994年東京大学大学院人文科仏語仏文学専門課程博士課程、単位取得の上、満期退学。
1996年パリ第10大学(ナンテール)哲学科博士課程終了。文学・人文科学博士号(専門、哲学)取得。
現在、津田塾大学国際関係学科教授。
2008年4月より1年間パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)外国人研究員。